【南ア】2000円台最強■ステレンボッシュのシャルドネ・キングによる、驚きに満ちたウォーカー・ベイ発、ピノ新プロジェクト始動【Kruger Family Wines Pinot Noir UHAAV 2016】 [ 白のスペシャリストがピノを手掛けると… ] ◎今年はここか…。

南ア【Sleeper of the Vintage!!】 無印の南ア産ピノ・ノワールに驚かされたのは何度目でしょう?昨年(2016年)で言えば、『コッパー・ポット』、『フライヤーズ・コーヴ』、『フィスト・オブ・ファンシー』、『クラウズ』、『ストーム』 など、日本では殆んど認知されていない銘柄にも、これほどまでにハイ・クオリティのピノが南アにはあるのか…と唸ったものですが、今年2017年にヤナギヤが推す注目のダークホース・ピノがこちらの 『クルーガー』。

エリアはウォーカーベイ。

エルギンと並び、いまや南ア・ピノの二大聖地と化しつつある、ヘメル・アン・アード・ヴァレー産です。

アタラクシア、クリスタルム、ストーム、ニュートン・ジョンソン、ハミルトン・ラッセル、ブシャール・フィンレイソンetc...。

南アのプレミアム・ピノを代表する面々がずらりと揃い、ここ産駒で、出自がしっかりしたものであればハズレなど無いのでは?とまで思わせる南アにおけるブル系品種の桃源郷です。

中でもアッパー・ヘメル・アン・アード地区からのこのワインは、米四大誌は勿論のこと、アトキンの南ア・レポート、SAワイン・マガジン、プラッターズ・ガイドの南ア三大メジャーにも掲載なし。

全くの無印でしたが、ブラインド試飲にてその「ギャップ」に驚かされ、思わず二度見(詳細後述)。

そして即決に至った大発見ピノです。

▼ シャルドネ・キングによるピノ造り、始動。

この安さにしながらの旨味と個性は特筆すべきものだ…と思いましたが、調べてみますと、ワインは無印でも、醸造家はスゴ腕のタレントでした。

皆様は 『ステルハイス』 という造り手をご存知でしょうか。

オーナー兼醸造家のヨハン・クルーガーは、1998年に家業のステルハイスを引き継ぐと、2005年に【ダイナーズ・クラブ・ヤング・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー】を受賞。

ワイナリは2006年に評論家ティム・ジェームスのGrape誌より、「南アで最も伸びている5社」に指名され、2012年度の南アシャルドネ決定戦、「Christian Eedes Chardonnay Report」にて【年間TOP10】に、同2016年度版では【年間TOP5】に選出。

アトキン2015年度【年間Best Chardonnays】受賞、プラッターズ・ガイド2015年、2016年版二年連続シャルドネ部門【★

】認定。

遂にはNaked Winesから「The King of Chardonnay」とまで評された造り手です。

そんなシャルドネ・マスターのヨハン・クルーガーによる、新たなピノ・プロジェクトこそがこの 『クルーガー』 なのです。

シャルドネはステレンボッシュ産でしたが、ピノ・ノワールはウォーカー・ベイはアッパー・ヘメル・アン・アード・ヴァレーより。

▼ステルハイス/クルーガー(Sterhuis/Kruger)「星の家」(Star House)を意味するステルハイスは、元法律家のアンドレ・クルーガー(クリュガー)が、引退後の第二の人生を送るべく1980年に112haの農地(葡萄畑はそのうち45ha)を購入して立ち上げた生産者です。

当時は収穫した葡萄を全て近隣のワイナリーに販売していましたが、ここで元詰めをはじめた人物が二代目の現当主、ヨハン・クルーガー(Johan Kruger/右下画像)。

2002年にファースト・ヴィンテージをリリースすると、たちまちその品質の高さが評判となり、2005年にはダイナーズ・クラブより、【Young Winemaker of the Year】に輝き、その後も年々評価を上げ、現在ではステレンボッシュの「ザ・キング・オブ・シャルドネ」(by Naked Wines)…とまで呼ばれるようになりました。

プラッターズ・ガイドでも2015年、2016年と二年連続でシャルドネ部門【★

】に輝いています。

2015年度のシャルドネ五ツ星は南ア全体で4本、2016年で11本しか存在しません。

二年連続受賞とはまさに快挙。

そして、そんなステレンボッシュのシャルドネ・キングが新たに立ち上げた、ウォーカー・ベイでのピノ・ノワール・プロジェクト…それが 『クルーガー』。

ヨハンの友人が所有するという、標高450m、アッパー・ヘメル・アン・アードの山あいという素晴らしいロケーションの畑に2003年に植樹。

畑は何億年も前から変わらずにある花崗岩土壌と粘土土壌から形成されています。

白専科のピノ…という意味では、ショーン&ドーターズのコッパー・ポットを思わせますが、こちらも秀逸です。

因みにヨハンは嘗てはビールやウィスキーの愛飲家だったところ、1996年ヴィンテージの 『ジョーダン・シャルドネ』 を飲んでワインに開眼したそうです。

この度のご案内は、二年目の’16年。

初めての出会いとなった’15年は、冒頭で「ギャップに驚かされて思わず二度見」と書きました。

一つ目のギャップはそのお値段。

2500円台とは思えぬ品質の高さにホレボレ。

そしてもう一つは熟成感。

これが今年も健在でした。

◎試飲しました。

【2017.10.6】 初めて出会った’15年は、ブラインド試飲時に2011〜12年あたりのピノかと思いましたが、ラベルに刻まれた2015年の文字に吃驚したものです。

このキャラが’15年だけのものなのかどうなのかが判らなかったのですが、この’16年を飲んで、ココの個性だということがはっきり判りました。

若さのエナメル香も確かに漂わせるのですが、なぜかこのヴィンテージながら熟成したピノが放つ旨みを持っているのです。

深くしっとりした多様な熟成ピノにある独特の官能的な旨味を感じさせ、果実味の果肉感と、熟成にある繊細でキメの細やかさ(タンニンも…)が見事に一体となり、大地にあるあらゆる植生の姿を想像することができます。

まるで四季を享受したかのような枯葉や自然を吸い込んだしっとりした土の匂い、森の空気を吸い込んだ森樹の香り、深くから吸い上げたミネラル、土表にあるマッシュルームやイチジクやスミレなどがあり、それらに溶け込んでいるしっとりとして落ち着いた酸味とかすかなスパイスの感触も心地良い…。

ピノに勢いやチャーミングさ、ぽっちゃり感をお求めならば他の選択肢を提案いたしますが、お手頃なピノにも程よい熟成感を求めたい…けれどもこの価格のピノはみな若すぎて…と仰る、しっとりとした落ち着きあるピノを愛飲される方であれば、価格以上の楽しみと満足度が享受できます…間違いなく。

それにしても、この価格以上の複雑さは見事だな…と思いましたが、ヨハンは畑の東西向き、南北向きの異なる斜面に五つのクローンからのピノを植えており、東西斜面の区画からは果実味ある果実が、南北斜面の区画からは酸を作る果実が収穫できるそうです。

このブレンドが、同価格の他ピノには無い複雑な味わいを演出しているのでしょう。

自らのステルハイスの白は、「ツナやスシに合う」と述べるヨハン。

彼のワインが美味しいと感じるのは、我々日本人にも通じる、ある種の味覚の共有があるからなのかもしれません。

●方向性を確認して頂く必要はありますが、少なくともこのベクトル上では目下2000円台最強の南ア・ピノです。

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